年金制度で考える「高齢者を支える人数」 最終回
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年金・社会保障ネタ
さて、前回までに保険料負担のない3号被保険者1005万人と、1号の未納者約600万人を考慮すれば、年金制度で考える「高齢者を支える人数」はすでに「1.38人」に過ぎないということであった。
一方でマスコミなどで取り上げられる生産年齢人口(15-64歳)と高齢者人口(65歳以上)から求められる「高齢者を支える人数」は現在2.7人で、20年後には3割減の1.8人程度になると試算されている。
いかがだろう?3人程度で支えていたものが2人を割ると聞いて何となく不安な気持ちになった方は「1.38人なんて既に破綻しているじゃないか」と思われたか、「1人弱でも現行制度が運営できるなら工夫次第で持続できるじゃないか」と思われたか、どちらであろう。
もちろん現役層が減ることは避けられないので、「1.38人」も現行制度のままでは減少は避けて通れまい。しかし現在保険料負担が無い人が1500万人もいると思えば、何も支給開始年齢を引き上げるまでもなく、現在の年金受給者に10%の年金カットをお願いすれば、少々乱暴な計算ではあるが、単純に300万人程度の受け手減と同様の効果が見込まれる。
要するに私の申し上げたいことは、正しい理解をせずに世の中の空気(そう、日本に蔓延する政界さえも支配する正体不明の「空気」)で「年金なんてどうせもらえない」「制度は破綻する、抜本的な改革が必要だ」という思考停止状態に陥ってはいけないのではないかということだ。
とはいえ、現行制度の見直しでも十分とは言え、主に農家さんのためにスタートした1号の制度や、女性の社会進出を促進するこのご時勢に不合理な3号の制度は、単に保険料負担者を増やすという視点からではなく、国民全体で議論した上で見直しが必要だと思われる。
この辺の制度の現状、問題点についてはまた今後取り上げたいと思う。
以上、戯言にお付き合いいただきありがとうございました。年金制度で考える「高齢者を支える人数」をこれにて終了させていただきます。
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