厚生年金保険料上限上げ検討にモノ申す
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事務所通信
久しぶりに年金ネタを。厚労省が厚生年金保険料の上限引き上げを検討とのことです。今朝の日経はもちろんお昼のニュースバラエティでも取り上げられてました。それだけ世間の関心が高いということでしょう。
まず簡単に現在の厚生年金の保険料の仕組みから。現在会社員が加入する厚生年金保険の保険料は給料の16.412%となっております。月給が30万円なら49,236円。えっ!そんなに払ってない!と思った方はその通りで、このうちの半額の24618円が本人負担で残りは会社が払ってくれています。そして毎月この計算をするのは煩雑なので給料を30の等級に分けて、たとえば月給が29万から31万までの人なら18級の30万円として計算します。この等級の最低額が10.1万円未満を98000円とする1級、上限が60.5万円以上の30級としています。健康保険も同じ仕組みの計算方法になりますが、こちらは等級が47級まであり、上限額は117.5万円以上とされています。
月給が100万円でも30級の62万円で計算され、保険料も頭打ちになりますが、その分貰える年金にも上限ができるというワケです。中小企業の社長さんや役員を務めた奥さんが「貰える年金はもうちょっと高いのではないか?」と年金相談されるのはこの上限があることをよくご存知でないケースもあるようです。
さて、今回示された案は、この上限を健康保険と同じ117.5万円以上に引き上げようというもの。保険料率が変わらないとすれば仮に今120万円の給料を貰っている人なら本人負担と会社負担あわせて10万円近い負担増となります。
月給60.5万円以上なんて、庶民には関係ない!と思われるかもしれませんが、導入されるて一番影響を受けるのは、中小企業の経営者でしょう。会社負担分だけでも60万円近いコスト増、手取りも60万円ダウンです。倒産まで行かなくても人員削減や、新たに起業をする意欲ある経営者の減少を通じて多くの人に悪影響が出るでしょう。
色々な方面から意見が出てそう簡単に話が纏まるとは思いませんが、まずは現在の年金給付額を削減する方向からも議論もしてもらいたいところです(削減どころか政府は給付増の方針を打ち出しています)。
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